この記事では、“鼠径部は身体のどの部分をさすのか”“鼠径部で起きる代表的な病気はどのような病気か”について特集します。

鼠径部とは

鼠径部(そけいぶ)とは、足のつけ根のややくぼんだ線より上にある三角状の部分をさします。お腹で言えば、下腹部にあたります。

お腹の下にある骨の一つに恥骨がありますが、その恥骨の左右の外側にあり、股関節の前方部にあたるのが鼠径部です。

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鼠径部には構造として鼠径靭帯があり、鼠径靭帯の内側寄りに鼠径管が通ります。鼠径管には男性では精索が、女性では子宮円索などが通っています。

鼠径部は、二足歩行をするようになった人類にとってお腹の中の圧力(重さ)を一番受ける場所です。

鼠径部で起こる代表的な病気

鼠径部で起こる代表的な病気として、‟鼠径ヘルニア”があげられます。鼠経ヘルニアは、一般的に“脱腸”と呼ばれます。

鼠径ヘルニアの主な症状は、“鼠径部に出るポコッとした膨らみ”です。その膨らみは手で押したり横になったりすると引っ込みます。

【鼠径ヘルニアの症状】
□ 足のつけ根に柔らかい膨らみが出てくる(男性の場合は陰のうに症状が出る場合も)
□ 手で押し込んだり、横になると消えてしまう
□ なんとなく下腹部に違和感や不快感がある
□ 下腹部にときどき刺し込むような痛みがある
□ お腹が張っているような感じがする

鼠径ヘルニアの発症の原因として加齢があげられます。加齢とともに鼠径部の壁が弱くなると穴がひらき、中から腹膜が風船のように飛び出します。この風船のように飛び出した腹膜の中を腸が出入りするのが“鼠径ヘルニア”という病気です。

また鼠径ヘルニアは男性に多い病気で、研究報告では“男性の3人に1人は、一生涯で一度、鼠径ヘルニアを発症する”可能性があることが報告されています。(参考文献/john T jenkins, specialist registrar in surgery 1 :Inguinal hernias:BMJ 2008.836)

鼠径ヘルニアは良性の病気ですが、自然治癒やお薬の治療で治すことは不可能です。放置していくと日常生活に支障が出るだけでなく、時に命に危険が及ぶこともあります。そのため、鼠径ヘルニアの症状がある方は医療機関を早めに受診して診断・治療を行うことをおすすめします。

その他、鼠径部で起こる病気としては、“リンパ管炎”、女性において鼠径部に痛みを伴うことで分かることが多い病気“子宮内膜症”などがあげられます。

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