鼠径ヘルニアは、一般的に「脱腸」と呼ばれる病気です。

鼠径ヘルニアは女性よりも男性に多い病気であり、研究報告では“男性の3人に1人は、一生涯で一度、鼠径ヘルニアを発症する”可能性があることが報告されています。(参考文献/john T jenkins, specialist registrar in surgery 1 :Inguinal hernias:BMJ 2008.836)

では、私たちが鼠径ヘルニアと気づくためにどのような症状に注意すればよいのでしょうか。
今回は“鼠径ヘルニアの症状”について特集します。

鼠径ヘルニアの症状

鼠径ヘルニアの初期症状は、“鼠径部に出るポコッとした膨らみ”が代表的な症状です。鼠径ヘルニアは、この鼠径部の膨らみにより違和感を感じて病気と気づく患者さんが多いです。

鼠径部の膨らみは床や椅子から立ち上がったり、重い物を持ち上げたりなど、お腹に力が入ったときに出やすい症状です。症状として表れた膨らみは、手で押したり、横になったりすると引っ込んでしまうことがあります。

鼠径部に表れる膨らみですが、膨らみの大きさは患者さん個々によって異なり、ピンポン球や鶏卵ほどの大きさになることもあります。

足のつけ根の膨らみの他に鼠径ヘルニアが疑われる症状としては、“手で押し込んだり、横になると消えてしまう”、“下腹部にときどき刺し込むような痛みがある”など下記の内容があげられます。

下記の症状に対してチェックが多く付けば付くほど、鼠径ヘルニアである可能性は高くなります。

【鼠径ヘルニア チェックシート】
□ 足のつけ根に柔らかい膨らみが出てくる(男性の場合は陰のうに症状が出る場合も)
□ 手で押し込んだり、横になると消えてしまう
□ なんとなく下腹部に違和感や不快感がある
□ 下腹部にときどき刺し込むような痛みがある
□ お腹が張っているような感じがする

鼠径ヘルニアの症状を放置しておくと

鼠径ヘルニアの代表的な症状には、“足のつけ根の膨らみ”があげられます。

この“足のつけ根の膨らみ”ですが、先程ご紹介したように手で押したり、横になったりすると引っ込んでしまうことがあります。そのため、患者さんは症状がありながらも医療機関を受診せず、放置しがちの傾向です。

しかし放置しておくと症状は進行していき、鼠径部の違和感や不快感が強くなり、痛みが生じることがあります。さらに痛みが強くなり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

さらに放置し続けると、“嵌頓(かんとん)”という危険な状態を引き起こす可能性があります。嵌頓状態になると、腹膜に炎症が起こり、“腹膜炎”に病態が進行して緊急手術が必要になり、対応が遅れると命に危険が及ぶ場合があります。

このような背景から、鼠径ヘルニアの症状がある方は医療機関を早めに受診して診断・治療を行うことをおすすめします。

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